鉄鋼を運び、未来を築く―社会の基盤を支える力
社会の未来を支える日鉄物流――それは、ただ鉄を運ぶだけの仕事ではありません。
鉄鋼製品は、私たちの生活基盤から最先端技術まで、あらゆる分野で使われています。そんな鉄を、日本中に確実に届けるのが日鉄物流グループ。社員一人ひとりが誇りを持ち、使命感を抱いて挑む日々の業務と、その熱い思いを通じて、どのように社会に貢献しているのかを紐解きます。

1.鉄の原料を船から荷下ろし:原料荷役
鉄の原料となる鉄鉱石や石炭。クレーンを用いて、原料船から鉄鉱石や石炭を降ろし、ベルトコンベアで運びます。


2.原料を高炉まで輸送:原料輸送
輸入された原料は原料ヤードで保管され、必要に応じてベルトコンベアでホッパーに運ばれます。ホッパーで一時的に蓄えられた原料は、再びベルトコンベアで高炉に安定的に供給されます。

高炉とは
原料(鉄鉱石・コークス)を高炉の上から投下し、約2000℃の熱で溶かされます。
そして、高炉の下からドロドロとした銑鉄となり取り出されます。

3.高温の銑鉄を次工程に輸送:鉄道輸送
銑鉄は、高温度の物質を運ぶことができる特殊な貨車であるトーピードカーを用いて、次工程の製鋼まで運びます。


製鋼工程
・転炉:
銑鉄に酸素を吹き付けることで、
不要な炭素を取り除き、鋼が作られます。

・連続鋳造:
鋼は連続鋳造設備へ運ばれ、
加工しやすい大きさに切り分けられ、
スラブなどの半製品になります。

4. 鋳造を終えた半製品を輸送:半製品輸送
半製品はスラブキャリアを用いて、ヤードや各工場まで運ばれます。スラブキャリアは車自体が上昇下降し、パレットを車体で持ち上げて輸送します。

半製品って何のこと?
製品を生産するために必要な工程がまだ完了していない中間的な製品のことです。ある程度の工程は終了しており、そのまま外部に販売することができる状態、または工程外で貯蔵可能な状態のものを指します。

5. 加工された鋼をチェック:熱延精整
精整エリア、梱包エリア、積出エリアで鋼板外観のチェックを実施しています。顧客ごとの要望に合わせた製品をお届けするため、主管元が規定した検査員制度に基づき、年1回の試験に合格した者が検査員認定を受けて作業しています。

6.梱包・保管
完成した鉄鋼製品は梱包された後、出荷までの間、倉庫やヤードで保管されます。鉄鋼製品にサビやキズなどが生じないよう、徹底した品質管理がなされます。



7.製品輸送
コイルや厚板などの製品はキャリアを用いて工場や岸壁などへ運ばれます。キャリアには、運転席が前後にあり、前進方向でパレットへ進入することができるアンダーキャブタイプと、パレットへ後進で進入する必要があるオーバーキャブタイプがあります。


8.製品出荷
岸壁にはクレーンや荷役設備が整備されており、作業指揮者の指示によって、積み込み位置を調整しながら、効率的かつ安全に製品を出荷します。



クレーンマンと作業指揮者が連携して荷物を積み込み
9.海上輸送
日鉄物流グループ全体で200隻を超える船を運航。長年のノウハウと全国に展開しているネットワークを生かし、安定かつ効率的な輸送を行っています。

10.製品荷役
船から製品を揚げます。製品はトレーラーを用いて一時保管場所へ運ばれます。


11.倉庫保管
クレーンで施設内に整列させて、製品の納品日まで厳重に保管します。



ついに、お客様の元へ…
12.陸上輸送
トラック・トレーラーなどを使った陸上輸送にて、お客様に製品が届けられます。


運んだものは
全国で橋梁、ブリキ缶、ビル鉄骨、車などに加工され、皆さんの身の回りへ届きます!