24時間365日、東日本製鉄所 鹿島地区の操業を支える。
“整備のプロ集団”の現場力
鹿島臨海工業地帯に位置する東日本製鉄所 鹿島地区では、日々、多くの車両が稼働し、物流を支えています。その安定操業を裏側から支えているのが、日鉄物流 物流技術部 車両保全係です。
国家資格を持つ整備士たちが、多種多様な車両の点検・整備を担い、ときには新たな設備にも挑みながら、「止まらない物流」を実現しています。
本記事では、鹿島地区における車両保全の現場をご紹介します。

製鉄所を支える物流の現場
東日本製鉄所 鹿島地区は、鹿島灘に面した鹿島臨海工業地帯に位置し、東京ドーム約220個分という広大な敷地を有しています。1968年に操業を開始し、コイルや鋼管、軽量形鋼など、社会を支える多様な製品を生産しています。日鉄物流鹿島地区 では、構内外を合わせて219台の車両が稼働しており、その一台一台が止まることなく動き続けることで、製鉄所の操業が支えられているのです。
車両保全係の「操業を止めない」という使命
物流技術部 鹿島設備保全課 車両保全係は、36名のメンバーで構成される組織です。製鉄所の構内および構外を走る車両219台全ての点検・整備を担っており、現在は「大型車両整備」「小型車両整備」「設備管理」の3班体制で業務に当たっています。その点検・整備件数は年間で約3,300件にのぼります。
製鉄所において、原料や製品を運ぶ車両がトラブルなく稼働し続けることは、操業そのものを支える生命線です。万が一、車両に不具合が生じれば、現場全体の動きに影響を及ぼしかねません。車両保全係は、そうした事態を未然に防ぐため、日々の地道な点検・整備を通じて車両を良好な状態に保っています。一台一台のコンディションを的確に見極め、確実な整備を施すことで、現場の稼働を支え続けているのです。

また、彼らの役割は車両の整備にとどまりません。持ち前の整備技能を活かし、操業各課から寄せられる「作業台を改造してほしい」「治具を製作してほしい」といった相談にも柔軟に対応しています。現場のリアルなニーズに応えるこうした取り組みも、安定した操業を支える一端となっています。
表舞台に出ることは多くありませんが、こうした彼らの日々の積み重ねこそが、「操業を止めない」ための盤石な基盤となっているのです。

国家資格に裏打ちされた技術力
車両保全係には、国家資格である自動車整備士資格を持つ技術者がそろっています。その確かな専門性を活かし、車両保全係では、原料輸送車両を中心に約8種類の車両設備の整備や修理、点検を担っています。例えばエンジンのヘッドガスケット交換といった修理業務でも、車両状態を的確に見極め、それぞれに最適な整備を行っています。


また、これまで扱ったことのない設備への対応にも積極的に取り組んでいます。2024年2月からは、新たに大型ブルドーザーの整備をスタートさせました。未知の分野への挑戦となりましたが、研修で学び、現場での経験を重ねながら、メンバー同士が協力し合って着実に整備体制を築き上げてきました。更に2025年4月からは、大型フォークリフトの整備も担当しています。
フォークリフトの修理において、特に難易度が高いのが電気系のトラブルです。故障箇所の特定が難しく、細やかで繊細な作業が求められるため、状況に応じた柔軟な判断と対応が欠かせません。また、荷役中に車両がストップしてしまった場合には、直接現地へ駆けつけて対応することもあります。限られた時間の中で瞬時に原因を突き止め、確実に修理を完了させるためには、高度な技術と経験が不可欠です。


こうしたハードな現場対応を根底で支えているのは、資格取得を通じて培ってきた確かな知識と技術、そして日々の業務で積み重ねてきた経験に他なりません。
日々の点検に込められた安全への意識
車両の整備においては、走行できる状態であることはもちろん、安全に停止できる状態であることも欠かせません。万が一、車両が適切に停止できなければ、重大な事故につながる可能性があるためです。
そのため現場では、下回りの状態やオイル漏れの有無といった基本的な点検に加え、音や匂いなど、五感を使いわずかな変化にも注意を払いながら確認を行っています。日々の積み重ねによって異常の兆候を捉え、故障を未然に防いでいます。

安全面では、ケガを防ぐために安全教育に時間をかけて行っています。万が一転落した際、被災の程度を少しでも軽減できるよう、2.0m未満の高さでの作業であっても、転落防止対策としてライフジャケット「いつも」を着用することとしています。また、熱中症対策として、シャッター付工場では工場内全体の冷却が可能な大型エアコンを設置し、その他の工場ではスポットクーラーや空調服、クールベストを活用するなど、作業内容に応じた対策を行っています。


製鉄所の操業を支える物流は、多くの車両によって成り立っています。その一台一台を支えているのが、車両保全係の技術者たちです。日々の点検・整備、そして見えない努力の積み重ねが、「止まらない物流」を実現しています。